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2004 WRC第11戦 ラリージャパン 観戦記
 


1日目
(LEG2観戦)

 ラリージャパンが開催されることは1年以上前からわかっていたが、やっぱり直前にならなければ実感がわかない。だから宿泊予約も全然遅くて、結局帯広市内は取れず、約20キロ離れた中札内村の旅館になった。チケットの発売日も気が付けば過ぎていたし、やはり直前になってネットオークションで購入した。それも林道観戦の計画を立てるのが面倒という理由から札内のスーパーSSのみ。自分でもあきれるくらいのやる気のなさである。(笑)


 9月2日セレモニアル・スタートで幕を開けた。テレビのニュースでやっていたが、そこにいなかったことに少し後悔した。LEG1の速報をスカパーで見ると、やはりうずうずしてきた。でも何といっても初めてのラリー観戦なので、どんな感じかは全くわからない。ましてや世界選手権である。
 
 土曜日は朝6時20分に家を出た。日勝峠には思ったより早く、10時40分に着いたので、つい休憩を長く取っってしまった。これが失敗。北愛国のサービスパークに着いて、シトロエンのテントに行ったがサービスは終わっていた。着いてすぐだったら間に合ったかも知れないが、サービスパーク内をいろいろと歩き回ったのが更に失敗だった。どうも流れがまだつかめないでいる。でもプジョーやシトロエンのテントを見ると信じられない気持ちになった。今まではTVの中の世界だったものが目の前にあるのだから。


 北愛国のサービスパークには1.3キロ程離れた無料駐車場から徒歩で行くことになる。駐車場は出入口が一ヶ所のみだったので、夜なんかはかなり混雑して、出るのにたっぷり50分はかかった。河川敷や近辺に路駐した方がよさそうだ。2日目は路駐で大成功だった。考えてみればクルマを止めるところなんて無限大にあるように見えた。(地元の方、ごめんなさい)




シトロエンのテント。すでに後片づけ。

プジョーのテント。ライオンの青とマルボロの赤がきれい。


  サービスパーク内はイベント会場そのもの。まずは公式プログラムを買う。他にもいろいろ売っている。BOSCOのラリービデオもあるし、定番のミニカー販売、それにビバンダムのグッズ・・・。まるでフレンチ・ブルー・ミーティングである。(笑) 大型スクリーンでは、いつも競技の様子が映し出されている。もちろん国際映像である。


 途中抜けて、旅館に入る。駐車場から約20キロ離れたところだ。20分で着く。何てわかりやすい。「道の駅なかさつない」でカレーライスを食べてから、チェックインし、すぐまたサービスパークに戻る。今度はシャトルバスに乗り込む。シャトルバスは1日何回でも乗れて千円である。10分か15分で札内のスーパーSSの会場に着く。でもバスを降りてからがけっこう長い。会場は思ったより広かった。それにコースも素晴らしい。これがラリー終了後に取り壊されるなんて実にもったいないと思う。スタンドはすでにいっぱいだったが何とか座れた。スタンド席8千円と立見席4千円の差があまりないように見えた。でも座れるだけよい。


ナイト・ステージの札内。この後マキネンのゼロカーが走る。


 最初の感動がゼロゼロカーだった。三菱のRV車だったと思うが意外に速い。わくわくしてきた。初めてなので、こんなんでもわくわくである。次にあのトミ・マキネンの乗るゼロカー、Gr.Nのインプレッサだ。速い!コーナーではドリフトしまくり。すごい!マキネンはファンではなかったが偉大なドライバーなので、大感動である。一番スタートは確か、スバルのヒルボネンとプジョーのロバンペラだったと思う。あれ?上位15台のリバーススタートじゃないの?初めからワークス勢なの?どうも勉強不足だ。さっきのサービスパークといい、どうもはずれである。やはり頭の中の知識と実際の観戦では違うらしい。

 とにかく最初からワークス勢の対決だ。やはりWRカーは速い。それに音もでかい。次はフォードのデュバルとシトロエンのサインツだ。あのカルロス・サインツだよ。サインツの走りを生で見ることが出来た。これはすごいことだ。歴史的出来事と言っていい。そして次はフォードのマルティンとプジョーのグロンホルムである。307の調子がいまひとつとはいえ、グロンホルムの走りを目に焼き付けた。これが2年前だったらプジョー絶好調だったのにな。そしてスバルのソルベルグとシトロエンのセバスチャン・ローブの対決。ローブ頑張れよー。うちの奥さんも「ローブかっこいー」。完全にイカれているよ。次は新井さんと奴田原さんだ。しかしWRカーに乗った新井さんが見たかったというのが本音である。

 実物を生で見て思ったことがある。コーナリングを見る限りスバルの方がスムーズで乗りやすそう。それに音もなかなかいい。シトロエンは戦車みたいな音がイマイチ。クルマの排気音としてはちょっとかっこよくないなー。でも速さって総合的なものだからね。シトロエンはやっぱりチャンピオンマシンだよ。フォードもなかなかスムーズな動きを見せた。加速は良さそうだった。プジョーはかっこよさでは一番だな。見るたびにそう思う。でも全体を通しては調子がいいとは言えなかったと思う。



ギアボックス交換のプジョー。見るからに大変そうです。


 最後までスーパーSSを観戦しようと思っていたが、うちの奥さんがどうしてもローブを追いかけたいと言うので、会場を離れることにした。タクシーで行くというので、相乗りで乗った。同乗のカップルはスバルの服を着ていたのですぐのペターの追っかけだとわかった。相手も「ペターですか?」と声をかけてきたので、すぐに返答した。「いえ、ローブです」・・・。サービスについてテントの前に陣取ってローブを待つ。待つこと30分?でクサラWRCが来た。携帯で動画を撮ったが運転していたのはローブではなかった。もちろんエレナでもなかった。うーむ残念。プジョーのテントは緊張感ピリピリであった。プロベラ大先生も葉巻くわえてしかめっ面だった。どうもギヤボックスを交換していたらしい。




2日目
(LEG3観戦)

 日曜の朝は7時に起きた。LEG3は朝5時半に北愛国を出るが、それには間に合わなかった。今日の観戦は10時の札内スーパーSSから始まる。やはり昼間はいい。それにすごい観客の多さだ。昼だからスタート地点やストレート前の席などの様子を知ることも出来る。時々ワークスマシンがスタート地点にやってくるのが見える。ゼロカーのマキネンは2回走った。ファンサービスである。併走はサファリ勝者の藤本吉郎らしい。


一人走るグロンホルム。ヒルボネンはスタート出来ず。
ライバル対決、ソルベルグVSローブ!

 今日の予定は決まっている。ワークス勢見たら速攻タクシーでサービスパークである。チケット代もったいないが仕方がない。今日はなかなか見応えがあった。ヒルボネンはトラブルでスタート出来なかった。マルティンはガードレールぎりぎりで走って大歓声を浴びた。注目はまたしてもソルベルグ対ローブ。昨日に続きソルベルグの勝ち。すぐにスタンド席からゴール地点まで走る。ソルベルグのインプレッサ、続いてローブのクサラが目の前を時速5キロぐらいで過ぎていく。すごい至近距離だ。マシンにさわる勇気はさすがになかった。警備もうるさいしね。そしてすぐにタクシーに乗る。そしたら100メートルぐらい先にスバルとシトロエンが見えた。パトカーも後からついて行ってる。でもタクシーの運ちゃんはしゃべりに夢中で追いかけようとしない。あっというまに見えなくなった。もう少し気を利かせろよな。



スーパーSS直後のクサラWRC


サービスパークにて、プジョー&シトロエン


 サービスパークに着いてすぐにシトロエンのテント前に陣取る。マシンが来ていないのにローブがいる。どうも仕組みがよくわからないが、これからマシンを取りに行き、サービスまでクルマを持ってくるらしい。たぶんその間はインタビューかなんか受けていたのだろう。やがてローブは知らん顔して目の前を通り過ぎようとするので、思わず「セバスチャン」と声をかけた。そしたらすぐにサインしてくれた。ローブは左利きらしい。とりあえずひとつの目標は達成した。昨日は不発だったので、やっとという感じだ。


 スバルのソルベルグがやって来たときはすごかった。みんな青い服を着て青い旗と赤い旗を振ってる。ものすごい盛り上がりだ。まるでスバルのためのイベントという感じだ。全体を通してやはりスバルの応援はすごかったと思う。ワークスがすべてサービスを出ると少し寂しくなった。けどある一部分に人が集まっている。行ってみるとそこにはデュバルがいた。こんな時間にいるということは、おそらくリタイアだろう。すぐにサインしてもらった。




総合2位、セバスチャン・ローブ。

優勝のペター・ソルベルグ、一番人気。


 最終サービスは15時で表彰は16時。さて早めに帰った方がいいか、フィニッシュまで見るのがいいか迷った。とりあえずイトーヨーカドーでちょっとした買い物と昼食。ここまで来たら最後まで見ようということで、また北愛国まで戻ることにした。戻ったらすでにスタンド席は満員で表彰式の準備の真っ最中であった。ラリーカーは一旦車検場に入り、そこからセレモニアル・フィニッシュに向かう。その車検場に入るところの場所を陣取ることにした。ていうかたまたまだけど。でも結果的にいい場所だった。


 2時間も待ってようやくマシンが次々とやって来た。ソルベルグは例によってノルウェーの国旗を掲げてやって来た。ファンの前で空ぶかし一発。歓声が上がる。ここら辺の盛り上げ方がうまいよね。反面ローブはいつも控えめだな。でも人気はソルベルグと二分していた。そしてローブから2回目のサインをもらった。今度は公式プログラムに。うちの奥さんは握手をしてもらっていた。かなり満足だろう。グロンホルムは反対側に歩いて行ったので、サインはもらえなかった。唯一の心残りである。サインツはあまりファンの前には来なかった。でもサインツはオーラがバシバシという感じだ。サインツの背中を通してWRCの歴史が見えて来るような気がした。新井さんが来たときもまた盛り上がった。みんな神様でも見ているような感じだったな。当然サインをもらう。


 シャンパン・ファイトとかはあまり見えなかった。表彰台の後ろの方にいたので。かなり盛り上がっているようだった。スバルの応援があまりにもすごいので、ソルベルグもうれしかっただろう。今回はスバルが勝って本当によかった。




今年のチャンピオン最有力候補です。

サインもらいました。
 

 ほんの1泊2日の短いラリー観戦だったが、正直ラリー観戦がこれほどまでに面白いものだとは思わなかった。完全にハマってしまった。SSを見るために歩き回ったり、バスに乗ったり、スケジュールを考えて早起きしたり、サービスで待ちかまえたり。とにかくそういうことも全部ひっくるめてラリー観戦なんだと思った。来てよかった。来年は休みを取って全部見ようと思う。林道SSも見たい。今度こそ早めに行動を起こさなければ・・・。





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