TOP



2006 WRC 第11戦 ラリージャパン 観戦記


1日目(LEG2観戦)


 今年もまたラリージャパンがやってきた。やっぱり休みは取れず、今回も土日のみの観戦となった。まあ行けるだけ良しとしよう。今年のSS観戦はLEG3のパンケニコロペツのみ。SSの近くということで宿泊は鹿追町となった。日勝峠から十勝平野を見下ろしたときは、「やった!また来たぞ」と思った。


 12時半に陸別に着いた。とりあえずリエゾンの応援である。ラリーカーが続々とやって来た。まずは軽く応援。この交差点は国際映像でも流れた地点であるが、僕はカメラをなるべく避けて、しかも思い切り「写すなオーラ」を漂わせていたので何とか映像には映らずに済んだ。そしてローブがやって来た。シトロエンの旗が小さくて、もの足りず、すぐに地元の文具店で赤と青と透明のクリアファイルを買った。それをつなぎ合わせてフランス国旗を作り、マジックで「SEB LOEB」と書いた。これを持つだけでもけっこうサマになるものだ。



陸別のリエゾン区間を走るローブ。

シトロエン・スポールのフラッグとC4。


 その後もまたリエゾン応援である。今回はチケットが一種類のみの節約観戦なのであった。上利別付近でもかなりの観戦者がいた。オークションでゲットしたシトロエンスポールのフラッグをクルマにかけて待つ。スバル車が来た。その前に一般車が走っている。いきなりスバルが追い越しを掛けてきて目の前をかすめる。ものすごい迫力。たしか新井選手だったような気がする。気合い入ってるなあ。ローブはやっぱりちゃんと減速して手を振ってくれた。ホントいい奴。


 ということで今日の応援はこれで終わりという感じで足寄から高速に乗った。なんか風邪っぽいし調子が悪くなってきた。そしたら本別ぐらいで、ラリーカーが前後を走っている時間帯にぶつかった。ローブ、グロンホルムはまだまだ後ろらしく、時間調整しながら走ることにした。


 池田ICの料金所でスバルのソルベルグがエンジン吹かしながら一般車の間を強引に抜けていった。ソルベルグってどこかガキっぽいというか、子供のまま大きくなったようなところあるよね。愛すべき人物だと思うよ。で、料金所を出たら別のスバル車が後ろについた。しばらくそのまま走ったが、後ろにWRカーにつかれると、やはり緊張するし、かなりドキドキもんである。それで手を振って道を譲った。何と新井さんだった。こっちにも手を振ってくれた。感激感激。しばらく後をつける。


 時々路肩に止まったり、道を間違えたりで時間調整して走るうちにだんだん暗くなってきた。フォードとシトロエンが近くまで来ているのは感じていたが、まだ見えない。そのうちに片側2車線の大通りに出た。赤信号で先頭で止まったら、路肩を爆音で走るクルマがいたので、振り向いたら何とローブのクサラWRCが来ていた。そして隣に並んだ。


 クサラWRCとC4が信号待ちで並んだよ。奇跡だよ。周りからはどんな風に見えたんだろう。それとも誰も気づいてくれなかったかな。窓を開けて思い切り手を振ったら、エレナも窓を開けてくれた。ローブもこっちを見ている。うちの奥さんも何かやたら感動している。サインをもらおうと思ったが、もうすぐ青になりそうだったのでやめた。ちょっともったいなかったな。しかし今日1日の行動が結果的に間違いではなかったことが証明された。すべてがあの一瞬のためにあったんだよ、きっと。


 そんな感動的な1日が過ぎて、いよいよ体調が悪くなってきた。今日は早く寝よう。





2日目(LEG3観戦)


 2日目は朝7時55分のパンケニコロペツの観戦で始まる。鹿追からはちょっと走ってすぐなので、何とか近場の駐車場に止めることができた。今年からSS観戦はマイカーで乗り付けが可能になった。ほんの少しヨーロッパに近づいた感じだ。観戦場所はスタート直後の加速と連続の左カーブが見られるところである。アクセスしやすくまた見やすいため、年々人出が多くなってきているらしい。


 1時間以上待っていよいよスタート。待つ時間もまた楽しいものだ。注目は何と言ってもグロンホルム、ローブ、そして新井敏弘である。しかし今回改めて思ったが、グロンホルムってすごくアグレッシブと言うか性格的に燃えるタイプなのだろう。それが走りに表れている。よくスピンしたり、そういうことでタイムを失うが、何となくわかるような気がする。対してローブはすごく安定しているし、走りがとてもきれいである。
ちなみに動画はソルドの走り。カメラ持ってると走りが見えないからローブの動画はない。


 
 ローブが走り終えてすぐにSSを出る。10時からのサービスを見るためだ。去年も走ったところだが、時間に追われると意外に遠い。シャトルバスを乗り継いで10時過ぎに北愛国サービスパークに着く。ローブのところはすでに人だかり。2年前は自分が声をかけなければ、誰もローブからサインをもらえなかったのに、今や誰もがセブセブである。




スピンで後退のマーカス・グロンホルム。

首位浮上のセバスチャン・ローブ。


 サービスの後はセレモニアル・フィニッシュだが、鼻水も止まらず、熱っぽくなってきたので、何となくフィニッシュ地点の少し後ろの場所を取って休んでいた。サービスパーク隣接のスーパーSSもほんの少し見えた。ローブの奥さんともすれ違ったよ。


 セレモニアル・フィニッシュでは、まずワークス勢は広場にマシンを止め、そして10位から順に表彰式へ向かう。この基本中の基本さえしっかり押さえておけば、どの辺にお目当てのマシンが止まるのかがだいたいわかるのである。しかし熱っぽく頭がぼーっとしていた俺はそこまで気が回らなかった。自分がとても中途半端な場所にいたことに気づいたが、もう遅かった。自分のいた場所から遠く離れたところでローブとグロンホルムがサイン責めにあっている。残念だった。うちの奥さんは泣きそうな顔している。でも新井さんからサインもらえたけど。




サインをする新井敏弘選手。超人気者。

クサラの向こうにかすかに見えるのがトップ2。


 でも表彰式はよかった。何たってローブの最多勝利記録27勝である。またしても歴史的瞬間に立ち会ってしまった。この3年でソルベルグとグロンホルムとローブの優勝を見ることが出来た。これもまた素晴らしいことである。感激。そしてその後にはAXNシェイクダウンのニールを目撃。やっぱり来ていたんだ。ラッキー。

 やはりWRCは素晴らしい世界だと思った。また、ラリーはドライバーもそうだが、観戦する方にも経験が必要なのだと感じた。2年か3年で完璧な観戦など出来るはずもない。それこそ小さいうちから当たり前のようにラリーが身近にあるヨーロッパのように、歴史を積み重ねて行くしかないのだ。来年もまた行くぞー。ローブのC4とご対面だー。




TOP