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2007 WRC第14戦 ラリージャパン 観戦記



1日目(セレモニアル・スタート)

 今年のラリージャパンは10月下旬開催である。この時期の北海道ならいつ雪が降ってもおかしくない。選手ばかりか観戦する方もタイヤ選択に悩んでしまうのである。一応念のためスタッドレスタイヤに替えておいたが、悩みに悩んで当日の朝、意を決して夏タイヤに戻した。ちょっとしたギャンブルではあるが、好天の中、スタッドレスで走ることに比べればずっと快適だ。雪が降ったら迂回すればいい。難所の日勝峠も新しく出来た高速道路によって走らずに済んだ。今回は平取〜トマム経由なので、燃費の面でも助かったし、交通量も少なく快適だった。

 セレモニアルスタートは19時にスタートである。まだまだ時間があるが、いい場所で見たいので夕方の3時半ぐらいから席取りを始める。スタートランプのちょっと前あたり。ラリーショーの方がちょっと気になったりもするが、でもまあ初めてのセレモニアル・スタートなので一度はちゃんと見ておきたいということで、サイン会の方はあきらめることにした。

 スタート前にV6の長野君が出てきた。すごい人気ね。後ろの女子高生がうるさいのなんの。キャーキャーって。それよりもWRC速報の福井さんと竹山まゆみさんにお目にかかれてよかった。



C4WRCのセバスチャンローブ

現在首位のマーカス・グロンホルム


 寒かったけどセレモニアルは華やかでいいね。出場85台もあっというまだった。けどやっぱりグロンホルムとローブは別格。明日からの超ハイレベルな戦いを期待しましょう。

 ということで、その後は40キロ程離れた鹿追町の旅館まで走る。これから3日間、こちらも長いリエゾンを通って観戦することになる。




2日目(LEG1観戦)

 SS1パウセカムイは7時33分スタートである。実はこのチケット、買い間違えたんだよね。ホントは13時44分の同じステージのつもりだったんだけど・・・。だから今日は6時起き。気温は0度くらいで寒く、ちょっとつらいけど走る。鹿追から足寄まではけっこうな距離があるので、普通に走って1時間ちょっとかかった。

 パウセカムイは見応えのあるいいSSだった。駐車場は国道から近く、車を止めてから観戦ポイントまでもすぐだった。今年は昨年と違ってコースが逆走らしく、ダウンヒルから右直角コーナーを曲がり、緩い登坂を走るという、見る側にとっては楽しめるポイントだったんじゃないかな。

 着いたときにはソルドのC4が過ぎたところだった。つまりグロンホルムとローブとヒルボネンは見逃したことになる。結局グロンホルムはSS4でコースアウトしたため。今ラリーでの本気走りは見れずに終わった。今年で引退なので非常に残念である。でも楽しめるSSだったので、急遽午後の同ステージの当日券を買うことにした。



信号待ちのソルド車。C4は抜群のかっこよさ!

ヘニング・ソルベルグ。御存知ペターの兄である。


 足寄の道の駅では、信号待ちをねらったリエゾン観戦である。まず最初にローブのC4が来た。運良く信号待ちで止まったので、シトロエンのキャップにサインをしてもらう。やった!初日でサインをもらい、とりあえず一安心。うちの奥さんもスケッチブックに描いたローブへのメッセージを見てもらえて満足だったようだ。

 次々とやって来るラリーカーであるが、目の前に止まったのはローブくらいで、あとは後ろの方で止まっていた。こればっかりは信号のタイミングと交通量によるので、運任せである。グロンホルムが来たときは驚いた。フロントのスポイラーは取れて、サイドがかなりへこんでいた。見ただけでロールバーまでダメージを追っているだろうことは予想できた。


SS5 セバスチャン・ローブ シトロエンC4WRC


 午後のパウセカムイ観戦の頃には気温も上がって、過ごしやすくなっていた。じっくりとラリーカーの走りを堪能できた。今回は初めて椅子を持参したので、待ち時間がとても楽である。今までめんどくさがって椅子を持参しなかったが、やはり楽だ。脚立があるともっと便利だね。例によってWRカーのあと、PWRCを何台か見ながら、SSを後にする。次は17時44分のオビヒロスーパーSSである。

 スーパーSSが始まる頃から雨が降ってきた。立ち見席で座っていたら、降りが強くなってきたので、傘を買うことにした。500円の透明傘でも良かったんだけど、せっかくだからスズキスポーツの黄色い傘を買った。またまた出費である。でもこの傘のおかげで、何とか快適に?SS観戦が出来た。でも十勝は寒い。帰りは温泉に入ってから宿に帰る。





3日目(LEG2観戦)

 今日明日はSS観戦がないのでサービスパークとリエゾン観戦の予定である。ちょっとゆっくり目に起きて北愛国サービスパークへと向かう。天気は曇りで気温が低い。

 とりあえず一番でシトロエンのサービス、ローブ前に陣取る。しばらく座って待っていたら、ローブがSS13でコースアウトしたらしいという情報が入って来た。どうもLEG撤退になるらしい。えー!?という感じである。ローブがいつ来るかわからないし、待ち続けるしかないだろう。午後のリエゾン観戦もこれで無しになった。

 サービスの時間になって次々とトップドライバー達がやってきた。ダニエル・ソルドが2位で入ってきた。いたって順調だ。メディアのインタビューを受けて、時間通りにサービスを後にする。ローブ側の方は何の準備もしていない。こっちもだんだん体が冷えてきた。スキーウエアを着ているが、このままでは風邪を引いてしまう。時々「俺たちは一体何をしてるんだろう?」って思う。でも周りの熱心なローブファンもずっと待ち続けてるし、こっちも負けられるか。




シトロエン・チームの見事なマシン修復。拍手!


 2時間以上待ってやっとローブとエレナが歩いてやってきた。ローブはテントの中に引っ込んだまま、ほとんど出てこなかった。さらに2時間後にマシンがやって来た。左リヤにかなりのダメージを追っていたようだ。明日の再走は大丈夫かな?でも壊れたマシンの修復はめったに見れるもんじゃないし、じっくりと見学させてもらった。通常のサービスと違ってたっぷりと時間があるので、意外にのんびりムードで修理していたように見えた。でもすごい。ほとんど新車同然に直して見せた。さすがである。

 で、結局ここに来てから、マシンの修復まで7時間もサービスの前に居座ってしまった。体が芯から冷えてしまったので、俺たちもレグ撤退で温泉に直行だ。それにしてもローブのファンって、ローブしか!ってタイプが多いのではないか。見てるとみんなそんな感じだ。こういう状況になって初めて気づいたことだけど・・・。帰りのシャトルバスは自分たち2人だけであった。それも当然か。これからスーパーSSが始まる時間なんだから。





4日目(LEG3観戦)

 今日は新得方面が舞台なので宿から近い。すぐに起きて鹿追から新得町の屈足まで行き、クルマを止める。道路に出たら、いきなりローブ車が来た。うわっグッドタイミング。でも写真を撮ったりする暇なんてなかった。しょうがないから、SS24とSS25の間のリエゾンでまた観戦だ。

 クルマを止めて、シトロエン・スポールのフラッグをフロントウインドウに掛ける。しばらくしてポンス、ラトバラ、ローブと次々やって来る。後で気づいたが、SS前にタイムコントロールみたいなところで全車止まる場所が近くにあったらしい。ちょっと気づかなかったな。ローブはうちの奥さんのメッセージボードを見て、指で合図してくれたらしい。よかったね。

 この場所は直角に曲がった後、直進してSS25のスタート地点に向かうところだが、見てると各ドライバー特徴がわかる。みんな比較的ゆっくり目に過ぎて行くのだが、ストールとペター・ソルベルグだけは急加速していった。特にペターはお客さんを楽しませるためか、フル加速でマシンを左右に揺らしていた。みんなやんやの喝采である。ホント面白いヤツ。




快晴の最終レグ。絶好のWRC日和。

ローブのC4、サービスに戻る。


 その後、最後のサービスと表彰式を見るために北愛国まで走る。特に時間に追われていないので、急ぐ必要もない。今日は天気も良く、最高の秋晴れである。30分のサービスを見た後はセレモニアル・フィニッシュまでのんびりと過ごす。芝生にすわり豚丼なんか食ったりして、ちょっとしたピクニック気分。これがサービスパークの中だというだけで何とも幸せである。

 表彰式前の広場にラリーカーが集まるので、ローブの順位を予想しながら陣取る位置を決めて待っていたが、ふと見たらC4WRCがサービスのところにいるのが目に付いた。あれ?と思い、急いでシトロエンのサービスの前まで走ったら、人だかりでどうもローブがファンにサインしているらしかった。着いたらもういなくなっていた。後でわかったことだが途中、マシントラブルでリタイアしたらしい。だから先に戻っていたんだ。情報不足が災いした。

 そんなことで、優勝したM・ヒルボネンには悪いのだが、表彰式そっちのけでシトロエンのサービスに居続けることになった。いつの間にかローブとエレナは帰ってしまったが、それでも待ち続けた。




優勝のミッコ・ヒルボネン。来シーズンのフォードのエース決まりだね。

リタイアのローブ。少し淋しい。


 今回のラリージャパン、4人目のウィナーはM・ヒルボネンだった。思えば第1回の時、札内スーパーSSでスタート出来ず、マシンの下に潜り込んで一生懸命修理してたっけな。その時のことを思うと感慨深いものがあった。グロンホルムの走りは見れずに終わった。プジョー時代から応援し続けていたので引退は残念である。スバル勢は散々だった。でも日本のファンのためによく頑張っていた。ありがたいなあ。それにしても大波乱の結果だったね。大波乱は他のイベントでやってくれ!というのが正直な気持ち。でもこれもラリーだからね。



このあと航空便で送られるC4WRC


 今年は最初から最後までラリージャパンを楽しめた。てゆうか最後までセバスチャン・ローブに振り回された感じ。ローブで始まりローブで終わる。これもまたラリー観戦か。十勝での開催も今年で終わり、来年からは札幌近郊での開催になるらしい。やっと十勝でのノウハウもわかってきたところなのに、ちょっと残念。でも道央でのステージもまた楽しみである。来年も頑張って見に行くぞ。来年はシェイク・ダウンから観戦だー。←大丈夫か???




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