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2022 WRC第13戦 ラリージャパン 観戦記


ラリージャパンが戻ってきた!

 あまりにも長すぎるブランクを経て、12年ぶりにWRCが日本に帰ってきた。

 コロナ禍による中止もあり、ようやく2022年に開催となった。その間、年齢も重ね、若くもなくなってきた。
 前回のラリージャパンのウィナーはセバスチャン・オジェだったが、その時はまだキャリア2勝目で、それが今では8回のワールド・チャンピオン。隔世の感すらある。

 それでも待ちに待ったWRC。SSチケットはなくても、リエゾンとサービスパークの観戦で再びWRCの世界に触れることができるんだから、こんなうれしいことはない。




サービスパークとなった豊田スタジアム




1日目(DAY2観戦)

 北海道開催では地元だったので、クルマでちょっと200キロも走れば開催エリアに行けたが、今回は土地勘もない愛知・岐阜エリアである。どうしても飛行機+レンタカーになってしまうんだよね。出費が痛い。(泣)

 で、木曜日は休みが取れず、家でセレモニアルスタートとDAY1のSS1をテレビ観戦
。そう、今回J SPORTSでは全SSを生中継するらしい。当然、全部録画予約。その他NHK BSやテレ朝でもやるし、前回の北海道開催となんか違う。さすがトヨタのお膝元、愛知での開催。そう感じた。

 金曜の朝は5時に家を出て、千歳空港8時25分発の飛行機に乗る。なので観戦は金曜の午後からである。中部国際空港に着いてすぐにレンタカーを借り、とりあえず走る。乗り出して高速に入った瞬間、わくわく感で顔がにやけてしまう。やはり本州ドライブ(#1)は楽しいね。

 セントレアから1時間半もあれば稲武まで行けるっぽいので、すぐにリエゾン観戦することにした。足助街道を通り、新伊勢神トンネルを走る。この辺はもうリエゾン区間だ。とりあえず稲武まで走り、雰囲気を見てからまた戻り、伊勢神トンネル付近の適当な駐車エリアにクルマを止める。

 そしたら突然、ロバンぺラのマシンが来て、駐車場に停まった。そして次々とマシンがやってきた。いきなりのサプライズである。WRCは本当に遠い海の向こうの世界(#2)。それが突然目の前に現れ、今、自分の目の前にいる。思わず涙が出てきたよ。コロナ禍での中止によりヤリスWRC(#3)を見ることができなかったのは残念だったが、それでもRALLY1のマシンは見ることができた。やっぱりかっこいいと思う。


(#1)本州ドライブ
北海道人である私にとって北海道の道路は魅力的ではない。クルマを運転する楽しさはあるが、道路に関しては面白味はない。それに比べて本州以南の道を走るのはいつも楽しい。やはりそこには歴史があるからなのか。同じ日本なのにこうも違うのかといつも思う。

(#2)海の向こうの世界
とても大好きだった「ラリーエクスプレス」誌の創刊号、ジャーナリスト三田正二氏によるコラム「眠れぬ夜に思う」を時々読み返す。「WRCはあまりにも遠すぎる〜」から約30年、今でもWRCは遠い存在だとつくづく思う。だからWRCのレジェンド達を間近で見れることは本当に奇跡。

(#3)WRカー
WRC日本開催がコロナ禍により2年中止となり、2017年にトヨタがWRCに復帰してから今まで、結局ヤリスWRCを見ることができなかった。セントラルラリーも行かず、イベントでのデモ走行も見れず、レプリカさえも見ることなくRALLY1カーに移行した。これだけは心残り。






距離短縮となったSS5「伊勢神トンネル」を終えた後のセバスチャン・オジェ




ヒョンデのヌービル、レッキ車の方が先に到着していた


この時点でトップのエバンス



【動画1】オジェ


 トヨタ、ヒョンデ、フォードと集まってきたが、オジェはうちのレンタカーの前にマシンを停める。うわー、ワールドチャンピオン8回のレジェンド(#4)が、うちのクルマの前に停まってるなんで奇跡だよ!でもSS2でパンクして優勝争いから脱落したからか、しばらくクルマから出てこなかった。ロバンぺラは暇さえあればスマホいじっている。若者だなあ。

 続々と人が集まってきて、みんな写真を撮っていたが、サインをもらおうとしてる人はあまりいない。北海道の時は信号待ちでもサインをもらおうとして人が集まっていたのに。そんな感じなので、こちらも久々のWRCで、つい消極的になり、最後のほうでようやくオジェとエバンスにサインをもらった。ロバンぺラはもう行ってしまったあとだった。最大のチャンスを逃してしまった。もっと積極的に行かなければ。

 そんなこんなで奇跡の時間はあっという間に過ぎ、夕方のサービスパーク観戦に向けて豊田市へ向かうことにした。あの場に居合わせた奇跡に感謝しながらも、サインの件では後悔していた。GRの傘(#5)にトヨタチーム4人のドライバーのサインをもらえていたはずなのに。

 サービスパークが豊田スタジアムになったのは大正解だと思う。やはりアクセスがいい。ホテルにチェックインしてから歩いて30分ほどでサービスパークに着いた。すぐにRALLY1のサービスに向かう。すでに人でいっぱいで何も見えなかった。やはりというかトヨタチームの前が一番混んでいた。


(#4)チャンピオン8回のレジェンド
ラリージャパンが北海道開催だった時代は常にセバスチャン・ローブを追いかけていた。そのローブがワールドチャンピオン9回でオジェは8回。やはり二人のセバスチャンは別格である。今回のラリージャパンも基本的にはオジェ中心の観戦となった。

(#5)GRの傘
オジェとエバンスにサインをもらったTOYOTA GAZOO Racingの傘は、2017年にWEC富士6時間レースを見に行った時に買ったもの。傘はWECとWRCのものがあったが、当然WRCのものを買った。





2日目(DAY3観戦)

 2日目はゆっくり起きて、三河湖方面のリエゾン観戦に向かう。本当であればセントラルラリー(#6)で有名になった熊野神社前の三河湖SSを観戦するはずだった。まさかチケットが即日完売(#7)だったなんてね。まあ今回は来年以降のためにレッキを兼ねた観戦ってことなんだけどね。

 で、今日の最初は、新城SSの手前、作手のリフューエル近くの道の駅にクルマを停めて、SS10に向かうマシンを見る。ここも人でいっぱいだったな。昼は時間が空くので三河湖SSに行ってみる。雰囲気と場所の確認。ところどころ道が狭くて、すれ違いが大変。


【動画2】オジェ


 午後はその三河湖SSのスタート手前のリエゾン観戦。のどかな昼下がりの中、のんびり待つ。撮影にはいい場所だと思うけど、小高い峠の向こう側にはマシンが集まったりしてるんだろうなと思ってしまう。でも中途半端に動けないし、ここと決めたらここで待つというスタンスも必要。ラリー観戦(#8)に正解はなく、いつも課題と反省ばかり。

 次々とラリーカーが過ぎていく中、ヒョンデのヌービルは止まってタイヤの空気圧かなんかチェックし始めた。すぐに人が集まりだして、みんな写真を撮りはじめる。その後、RALLY2マシンが3台くらい民家の前で並んで止まったりするのを見てから、その場をあとにする。


(#6)セントラルラリー
2019年開催のプレイベント。2020年のWRC日本開催を見据え、レッキを兼ねての観戦も考えていたが、プレイベントということで観戦を見送った。まさかその後の2年間、コロナで中止になるとは夢にも思わなかったので、今考えればとても貴重なイベントであった。セントラルラリーで一番驚いたのは、民家がある一般道をスペシャル・ステージとしたことである。日本もここまで来たか!と思った。本当に衝撃だった。

(#7)即日完売
北海道時代にはチケットの売り切れなんて考えたこともなかった。そんなこともあってのんびり構えていたら、なんとSSチケットが即日完売だったというニュースが飛び込んできた。その後、追加販売もあったが、結局チケットは手に入らなかった。あとでテレビ放送を見たら、観戦エリアはガラガラだったし、そもそも観戦場所なんてもっとあるだろうとも思った。残念この上ない。

(#8)ラリー観戦
本当にラリー観戦は難しい。アイテナリーと地図を読み込んで、スケジュールとルートを決めていくが、本当に正解だったことは数えるほどしかない。でもラリーカーを追いかけていると、自分もラリーに参加しているような感覚になり、とても楽しい。




SS12「三河湖」スタート前のタイヤチェック




3日目(DAY4観戦)


 3日目は朝6時に豊田市を出て、この日最初のSSのスタート地点へ向かう。ここは最終パワーステージとなるところで、その手前に豊田市旭支所があるんだけど、アイテナリー(#9)を見ると最終SSの前に支所の駐車場で1時間ほどのリグループがあることになっている。それを見たいので、その下見も兼ねてリエゾン観戦することにした。

 坂のある狭い街並みでラリーカーを上から見渡せたり、なかなかいいところであったが、SSは7キロちょっとと短く、マシンはすぐに戻ってくるので、ある程度見たら次に進むことにする。岐阜県に入る頃には、もう後ろからロバンぺラが来ていたので、適当なところで道を譲る。写真は撮り損ねた。

 岐阜県に入り、大正村を通るが、あまりにも人が多かったので少し戻り、小高い駐車スペースから観戦する。で、すぐにそこを離れ、途中のローソンで地図(#10)を買い、古い街並みがある岩村に向かう。途中、路肩にトヨタのエバンス、少し離れたところにRALLY2のマシンも停まっていた。すぐにクルマを停めて写真を撮る。楽しい。


(#9)アイテナリー
今回、ラリージャパンの公式ホームページからアイテナリーとマップがダウンロードできなかった。どうも競技者のみで、パスワードを申請しなければならないようだった。2020年の時は普通にダウンロードできたのに。結局、詳細なマップは雑誌「Rally+」の付録、詳細なアイテナリーに至っては公式プログラムを見るまで知ることができなかった。

(#10)地図
道中、これでもかというくらいファミリーマートがあって、何件か寄って岐阜県のライトマップを買おうとしたが、どこにも売っていなく、たまたま寄ったローソンでようやく買えた。ファミマには地図は置いてないようだ。


【動画3】ロバンぺラ




SS4で一般車と遭遇!シュコダのパヤリ




エバンスの優勝を期待していたが・・・


今シーズンは勝てずに終わる

 その後、古い街並みでのリエゾンで有名な岩村に入る。ここも人が多かった。なんとなくであるが愛知より岐阜の方がリエゾン観戦者が多くいたように感じた。天気はたまに陽が差したり、まだ雨の気配はない。岩村を過ぎたら、路肩にヒョンデのタナックがいたので、すぐに停車。写真を撮る。またしばらく走ると、今度はオジェと勝田がいた。またまたクルマを停め、写真を撮る。楽しすぎる。

 中津川と恵那の郊外を通り、帰りのリエゾン区間に入る。どこで待つのがいいか場所を探しながら、岩村を通り過ぎ、明智鉄道の踏切近くの路肩にクルマを停めて待っていると、フォードのブリーンがバス停のスペースにマシンを停めた。またまた写真を撮りに行く。すぐあとにロバンぺラが来るのかと思いきや、なかなか来ないので、多分もっと手前で停めていたのだろう。



ヒョンデ離脱のタナック

レインタイヤでパワーステージトップのブリーン


 雨が降ってきた。SS18と最終のSS19は雨になるようだ。とりあえず今朝寄った旭支所に行く。傘をさしての観戦だが、支所のテラスは屋根付きであった。リグループ(#11)に続々とラリーカー集まってきて、並び始めた。でも表彰式を見るためにSSスタート前にここを出て、サービスパークに戻ることにした。


(#11)リグループ
パワーステージの前のリグループが1時間近く設けられていたので、それを見るためクルマを駐車場に停め、見に行こうとしたら、橋を渡り切ったところに立っていたスタッフに、ここの住民かどうかを聞かれ、違うと答えると、観戦する場所はないとのことで、戻るように言われた。一旦引き下がり、別の橋を渡って無事観戦することができたが、今でもあの対応は何だったのかと思う。別にどうでもいいけど。




パワーステージ直前、豊田市旭支所駐車場にて

地元でポディウムの勝田、おめでとう!


 トヨタのホームラリーでヒョンデが1−2フィニッシュ。でも勝田が3位に入ったことで表彰式は盛り上がった。速さではオジェをはじめ、トヨタに分があったと思うが、パンクにより結果勝てなかった。これもラリー。

 全体的には愛知・岐阜開催はよかったと思う。3日間で536キロ走ったけど、開催エリアがコンパクトで周りやすかったし、ラリーカーを追いかけてのリエゾン観戦はとても楽しい。でもやはりスペシャル・ステージが見たい。北海道と違ってステージへのアクセス道路がたくさんあるし、まだまだ観戦エリアを増やせるのではと思う。
 来年以降に期待!









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