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2017 WEC第7戦 富士6時間耐久レース 観戦記


函館から富士スピードウェイへ


 今年、トヨタがル・マンに勝利したら、富士スピードウェイに見に行こうかと思っていたけど、勝てなかったので観戦するかどうか決めかねていた。でもポルシェが今年いっぱいでWECのLMP1から撤退するってニュースが流れたときに、これは行かなきゃって思って、すぐにフェリーと宿を予約した。LMP1でのトヨタとポルシェの対決はもう見られないと思うと残念で仕方がない。

 今回はテントとかいろいろ持っていくので、自分のクルマで行くことにした。飛行機+レンタカーより時間がかかるけどね。金曜日の午後に函館からフェリーに乗り、その日は盛岡泊。まあ土曜日の夕方にサーキットに着いて、少し見れたらいいかなという感じ。こんな時は本州の人たちが羨ましいよ。海を渡るって、ホントお金も時間もかかり過ぎる。(泣)

 でも、走るからには単調に東北道往復だともったいないので、ちょっと変化をつける。といっても行きは常磐道〜首都高〜中央道で、帰りは圏央道〜東北道てことぐらいだけど。

 行きのハイライトは、「中央フリーウェイ体験」。荒井由実の有名なあの曲ですよ。「♪右に見える競馬場〜左はビール工場〜」っていうやつです。首都高から中央道に入り、iPodを準備して、調布のあたりから曲を流す。またひとつ夢がかなったよ。

 小雨の中、15時40分頃に富士スピードウェイに入った。予選は終わったばかりかなと思っていたら、雨で早い時間に終了していたらしい。とりあえず傘を差しながら、メインスタンド前のイベントブースを見て歩く。

 トヨタとポルシェのブースには、それぞれ「TOYOTA TS050 HYBRID」と「PORSCHE 919 HYBRID」が展示してあった。初めて見るLMP1マシン。かっこよすぎる。特にポルシェは過去のプロトタイプの中でもダントツにかっこいいかも。93年のプジョー905の次くらいかな。でも応援するのはトヨタだけどね。1992年のTS010の頃からル・マン勝利を願ってるんだから。









PORSCHE 919 HYBRID




TOYOTA TS050 HYBRID


ピット・ウォーク


 決勝日の朝は7時にサーキットに着いた。すぐにピット・ウォーク・パスを買う。チケットはTOYOTA GAZOO Racing応援シートなので、キャップとか小旗とかグッズをもらう。今日は昨日より雨が多いので、合羽と長靴で観戦。天気が良ければ、テントでも張ってと思ってたけど、この雨じゃ仕方ないね。ちなみに駐車場は、締め切り間際に指定駐車券を買ったんだけど、結論から言うと、高い駐車券を買って大正解だった。いろいろとクルマに戻ることも多いので、近いのは助かるよ。

 ピット・ウォークでは、サインの行列には並ばず、各チームのピットの様子を見て回る。まずはシグナテック・アルピーヌから。まあフランス車好きで、ルノー乗りならアルピーヌは外せない。LMP2はシャシーがほぼ共通とは言え、やっぱりカラーリングとかも含めて、一番かっこいいね。次はヴァイヨン・レべリオン。往年のF-1ドライバーの息子たちがいるチーム。尊敬するアラン・プロストの息子、二コラは父親に似ているね。

 そして、TOYOTA GAZOO Racingのピットへ。さすがにサインの行列が長い。列をかき分けてピットの写真を撮る。去年、今年とル・マンで勝てずに残念な結果だったけど、それでも応援するよ。来年どうなるかわからないけど、ライバルがいてもいなくても、勝利の価値は変わらないと思う。

 最後にポルシェ・チーム。1号車と2号車。整然としたピット内、それに王者の風格というか、そんな雰囲気漂わせてるような気がする。これが見納めなんて本当に残念だよ。








6時間耐久レース決勝


 グリッド・セレモニーも終わり、いよいよ決勝レースがスタートする。雨なので、セーフティーカー先導で何周か走ってからレース開始となるらしい。で、1周目の最終コーナーを立ち上がって、遠くにライトが見えてきた。SC先導とは言え、ポルシェ2台と、それに続く2台のトヨタTS050がグランドスタンド前を通過したとき、思わず感動で涙が出てしまった。自分でも驚いたよ。全く予想していなかったからね。こんな雨の中だけど、来てよかったと思った。

 SCが解除となり、ようやくスタート。さすがにLMP1は速い。それに意外と音が静かだった。それに比べてLMP2とGTマシンは爆音の嵐。スタンドの下の方では、トヨタが通過するたびに大旗を振っている人たちがいる。ライトの色で判断しているのか、旗を振り始めてからポルシェだとわかると、すぐに旗を引っ込めたりする。けっこう大変だなあ。

 1時間くらいグランドスタンドで見てから、場所を移動する。天気が良ければ100Rコーナーあたりでテント張って、のんびりと過ごそうかと思ってたけど、結局、少し歩き回ってからクルマに戻り、暖をとることにした。着ていた合羽も少し乾くだろう。









1回目の赤旗中断、ポルシェのLMPチームとGTチーム


 うちの奥さんはクルマで音楽を聴いているので、今度は一人で観戦。今日買ったGAZOO Racingのポンチョ着て、TGRコーナーから、コカ・コーラ・コーナーまで見渡せる場所で見る。ここもけっこう面白い。それにLMP1の加速はすごい。TGRの立ち上がりで、前にいたLMP2の2台をごぼう抜きにした。

 何度かSCが入ったが、再スタート時はトヨタが速いようだ。ここでもトヨタ7号車がポルシェ1号車を抜き、次の周にはトヨタが1−2で来た。いい展開である。本来ならドライ・コンデションでのレースを満喫したかったが、この天候のおかげかトヨタが優勢なので、これはこれで良かったのかも知れない。

 そろそろ次の観戦場所に移ろうかなと思った矢先に、霧が濃くなり、赤旗中断のアナウンスが聞こえてきた。このままレースが終了する可能性も出てきたので、一旦クルマに戻り、またグランドスタンドに行く。

 1時間半も待ち続けて、残り10分とかでレース再開になりそうな感じだった。レースは見たいけど、内心このまま終わってくれればと思っていた。結局、赤旗中断のまま、トヨタ1−2体制のままレースが終了した。トヨタ8号車が優勝し、ポルシェのタイトルは次戦以降に持ち越しとなった。




今年のル・マンでレコードタイムを記録したトヨタ7号車



優勝したトヨタ8号車



ランキングトップのポルシェ2号車


 安定した6年間も終わり、来期以降のWECはどうなるか予想もつかない。でも耐久レースは面白いし、プロトタイプ・レーシングカーはかっこいい。現在のLMP1Hのような最高峰の技術開発があっての、高いレベルでの競争が見たい。

 トヨタに関して言えば、来年以降どうなるかはわからないが、WEC参戦を継続してほしいと思っている。そのうちまた、いい時代が来て、選手権も盛り上がるんじゃないかな。そうなることを願っている。




 富士6時間耐久レース、前後の時間も含めて12時間近くのイベントだったけど、時間はあっという間に過ぎていった。天候だけが残念だったけど、それもレース。

 帰りは、朝6時に河口湖を出て、青森港に着いたのが16時過ぎ。それからフェリーに乗って、自宅には22時頃着いた。耐久レースを観戦し、そして帰りは自分も耐久レースさながらの感じで走る。まあこっちはドライバー交代なしだけどね。







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