TOP プジョーについて 現存する世界最古の自動車メーカーはダイムラー・ベンツという説とプジョーであるという説がありますが、私なら胸をはってプジョーであると答えたいですね。ベンツのオーナーならやはりベンツと答えるのかな。 自動車を最初に作ったのはダイムラー・ベンツ、自動車を最初に量産し販売したのはプジョー、これが一般的な説らしいのですが、まああくまでも今あるメーカーの中でってことなので、最初のメーカーはまだあったかも知れない。例えばパナール&ルバッソール社とかね。とにかく一番古いってことはやはり胸をはれます。 また世界で一番最初の自動車レースが開催されたのは1894年、今から100年以上も前ですが、そのときすでにプジョーは参加していたんですね。しかも優勝までしてしまったのです。つまり史上初のモータースポーツイベントで勝利を収めたのがプジョーというわけです。 ちなみに世界初のDOHC4バルブエンジンを載せたレースカーを作ったのも実はプジョー。地味なセダンばかり作る実用車メーカーからは想像もつきませんが、実に革新的な草創期だったのですね。 |
プジョーは元々は自転車を作ってました。自転車の生産を始めたのは1885年。ツール・ド・フランスには第1回大会から参加している老舗メーカーであります。 それから4年後の1889年に自動車なるものを完成させました。第二次大戦を境に分けると戦前戦後それぞれ半世紀もの長い歴史をもつ、プジョー車のはじまりなのでした。 |
プジョー初のガソリン車、クアドリシクル。 |
現在のプジョーのネーミングである3桁の数字が初めて登場したのは1929年の201です。ご存知のとおり頭の数字は車格、末尾の数字は世代を表します。 ポルシェが自社のスポーツカーに901をつけたところ、プジョーがクレームをつけて911にしたというのは有名な話です。 |
1955年に登場した403は、プジョーがイタリアのピニンファリーナにデザインを依頼した最初のモデルです。これ以降ほとんどのモデルのデザインをピニンファリーナに委ねられています。403といえば刑事コロンボも乗っていましたね。あれはカブリオレですが。 私の愛車、405もピニンファリーナデザインです。派手ではないが飽きのこないスタイリングはどのモデルも共通であるといえます。 |
プジョーのイメージを決定づけ、また世界に広めたのが名車504であるといえるでしょう。生産期間は1968年から1989年まで、なんと21年間に及びます。 ファミリーセダンが必要とするすべての要素を、高いレベルで持ち合わせている、まさに自動車の中の自動車と言っても過言ではないと思います。 その後、プジョーは経営難のシトロエンを吸収し、ますます大企業へと発展を遂げていくのでした。 |
このように設立以来一貫して堅実なクルマ造りを続けてきたプジョーですが、70年代後半にはちょっとした経営不振に陥ってしまったようです。というのもプジョーの造るクルマはデキがいいのですが、どうもその存在が地味すぎて評判がよくなかったようなんですね。 |
それを救ったのが、1983年登場の205でした。若々しいスタイリングと抜群の運動性能を備えたこのコンパクトカーは世界中で爆発的な大ヒットとなったのです。 また世界ラリー選手権に打って出るために、ミッドシップ4WDのラリーカー「205ターボ16」も登場し、地味なメーカーがおしゃれでスポーティなメーカーにと、そのイメージまで変えてしまうほどの歴史的なクルマでもありました。 WRCでは2年連続のタイトル獲得を成し遂げ、この頃のプジョーは飛ぶ鳥を落とす勢いだったのでしょう。 |
その後、405、605など新世代プジョーが続々と登場し、現在は末尾の数字が6の世代になっています。スタイルは変わっても造りの確かさや乗り心地の良さなどは変わらずに伝統を守りつづけています。 世界の数ある自動車メーカーの中でもサスペンションまで自製するメーカーはおそらくプジョーだけでしょう。このパーツが乗り心地や操縦性に重大な影響を及ぼすことをプジョーはよく知っているのです。ハイテクよりも絶妙なチューニングの方が大事であることを。 |
2000年、プジョーは206WRCで世界ラリー選手権でダブルタイトルを獲得しましたが、プジョーは参加するカテゴリーでは常にトップクラスの実力を示しています。パリ・ダカールラリー4連覇をはじめ、ル・マン24時間でも905が圧倒的なスピードで2連覇しています。WRCとル・マンの両方を制したメーカーはプジョーだけでした。(2000年にはアウディも) |
プジョー110年の歴史を綴るなら簡単に一冊の本が出来てしまいます。ここではわたし的にプジョーの歴史とプジョーの魅力について述べてきたつもりです。少しでもプジョーのことをわかっていただけたら幸いです。 |
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参考文献:「ワールドカーガイド・プジョー」・「World
Rallying 1973-1992」ネコパブリッシング、 「Car Ex 97年3月号」世界文化社 |
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